労働現場の避けがたい現実(ヒエラルキー)

ある実態

非正規労働者の働き方の多様性が、そこで生産される製品(商品)が何であれ、思わぬヒエラルキーを作り出している例があります。

すべての企業でそうだとは言いませんが、これは実例です。

その会社は、恒常的に非正規労働者で製造ラインが稼働している状況です。季節的な繁忙期には、とくに、短期間の非正規労働者(主に、派遣労働者)が多くなります。
したがって、この会社でも、正規労働者(正社員)のほか、長期の非正規労働者(主に直接雇用のパートタイマー)と短期の非正規労働者(主に派遣)という構成になっています。

労務管理の難しさ

この会社は、人事、総務が労務に関する安全・衛生には、万全の対策を立て、労働者に対する日々の決められた管理事項を遵守・実行していて、リスク対策にも優れた会社です。
しかし、残念ながら、職場の実態は、必ずしも人事、労務が考えるものとは違っていました。

非正規労働者間の階層意識

強い者と弱い者を作り出す階層意識については、たぶん人間の心理(本能)に係ることなので、人事、労務だけに責任を投げかけることはできませんが、その会社の職場は、正社員ー長期の非正規労働者ー短期の非正規労働者というヒエラルキーが形成されていました。人間の心理にその蓋然性を求めるなら、このようなことは他の会社でもありうることではないでしょうか。非正規社員は、正規社員の顔色を見、非正規社員の中でも短期の者は、長期の者にチクチクといたぶられ、つらい気持ちで与えられた仕事に当たっています。長期の非正規労働者は、正社員にいい顔をするので、正社員並びにその先の人事、労務部門にはその実態が見えていません。

人事、総務部門の役割

同一労働同一賃金の実現に向けて、安倍総理が先の施政方針演説で、短時間労働者への被用者保険の適用の拡大や非正規社員の正規社員化等に触れていますが、企業における労働者管理を担う人事、総務部門は、このような政治的な動向を観察するのみならず、今起きている現場の実態の把握と対策にきめ細かい方策を立て実施することで、思わぬ、不要な労働者間の確執、労働環境の悪化を避けることができるのではないでしょうか。

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Toshikazu Oyama
神奈川県の中央部、厚木市の開業事務所です。 代表は、大山敏和(社会保険労務士)。 助成金など企業にとってプラスにこそなれ、決してマイナスにならない「うまみ」を使用者にどんどん提案してゆくつもりです。決して「ブラック」と呼ばせない合理的経営の御支援をいたします。

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