少しでもゆとりの生活のために~国民年金任意加入のポイント

国民年金を満額もらうには20歳から60歳までの40年間のすべての期間、国民年金保険料を納める必要があります。平成27年度の満額の年金額は780,100円です。 今でこそ、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方は国民年金の被保険者(強制加入)となることが国民年金法7条において定められていますが、昭和61年3月以前の厚生年金保険や共組合の専業主婦等の配偶者や平成3年3月以前の学生は国民年金に加入するかしないかは自分で決めることができました。

すると、加入していなかった期間は老齢基礎年金の額を計算をする際には1円にもならないため、当然満額の老齢基礎年金はもらえず、65からもらえる老齢基礎年金が低額になるおそれがあります。

そこで、60歳以上65歳未満の方は国民年金保険料を納めることで65歳から受け取れる老齢基礎年金の額を増やすことができます。これを任意加入制度<国民年今法附則5条>といいます。 また、60歳以上65歳未満の方が加入することができる任意加入制度の目的として、老齢基礎年金の受給資格期間(25年)を満たしていない方が受給資格期間を満たすという目的もあります。

具体的には以下の方が60歳以上65歳未満に任意加入できます。

①日本国内に住んでいて、厚生年金や共済年金から老齢(退職)年金を受けているが、老齢基礎年金額を満額にづけたい20歳以上60歳未満の方

②日本国内に住む60歳以上65歳未満の方で老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない、又は満額に近づけたい方

③外国に住んでいる20歳以上65歳未満の日本人の方

ただし、任意加入する場合には以下の注意点があります。

老齢基礎年金を既に繰り上げて受けている方は任意加入できません。又、任意加入して老齢基礎年金を増やすことができるのは満額の480月(40年)までで、65歳までとなります。

そして、65歳から70歳までの方で受給給資格期間(25年)を満たしていない方は昭和40年4月1日以前生まれの方に限り70歳まで老齢基礎年金の受給資格期間を満たすために特例の任意加入することができます。また、外国に住む65歳以上70歳未満の日本人も特例の任意加入ができます。

つまり、65歳までは老齢基礎年金を増やす、又は満額(40年)にする目的で任意加入することができるが、70歳までの特例の任意加入は昭和40年4月1日以前の生まれの方が老齢基礎年金の受給資格期間(25年)を満たす目的でのみ加入できるということができます。

任意加入のメリット

例えば、長年、配偶者が会社員で自分は専業主婦で昭和61年3月31日までの国民年金の加入期間が短い場合、60歳以降、任意加入することにより国民年金の保険料の納付月数が増え65歳から受け取る老齢基礎年金の額を増やすことが可能となります。

日本人女性の平均寿命は80歳を超え、男性の平均寿命も80歳近くまで伸びていることを考えると、任意加入して老齢基礎年金の額を増やすという選択肢も考えてもいいかもしれません。

また、国民年金に任意加入すると次のようなメリットもあります。

 国民年金に任意加入すると、国民年金の第一号被保険者(自営業者等)とみなされるため、要件に該当すれば障害基礎年金や遺族基礎年金がもらえる可能性がでてきます。

さらに、60歳以上65歳未満の任意加入の方は寡婦年金(国民年金第1号被保険者としての期間を25年以上持つ夫が亡くなった時に60歳以上65歳未満の妻に支給される、その一定の要件あり)、60歳以上70歳未満の任意加入の方は死亡一時金(国民年金第1号被保険者として保険料を36月以上納めた方が老齢基礎年金、障害基礎年金をもらうことなく亡くなった場合に一定の遺族に支給される)も要件に該当すれば、支給対象となります。

ただ、寡婦年金と死亡一時金は同時にもらえないなど条件がありますので、よく検討する必要があります。

最近の改正事項

国民年金基金は平成25年3月31日までは、国民年金の保険料納めている20歳以上60歳未満の方が加入することができましたが、平成25年4月1日からは国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の方も加入できるようになりました。

任意加入の手続き

市役所、年金事務所で手続きができます。また、納付方法は原則、口座振替になります。保険料は滞納すると任意加入の資格を失うことがありますので気をつけましょう。また、保険料は手続きを行った月から納付可能で、さかのぼって納めることはできません。保険料の免除もありませんが、いつでもやめることはできます。 年金のことでわからないことがあったら、市役所、年金事務所、詳しく年金について検討したい方は社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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N・T社会保険労務士事務所 高橋 奈美
N・T社会保険事務所の高橋奈美です。 平成27年10月1日に被用者年金制度の一元化にみられるように年金制度はより複雑になってきています。「複雑な年金制度を少しでもわかりやすく」をモットーに解説していきます。