雇用保険法の改正

3月29日の参議院本会議で、改正雇用保険法が全会一致で可決・成立しました。

<雇用保険料率の引き下げ>(平成28年4月1日施行)

雇用保険の財政状況などを踏まえて、雇用保険料率が引き下げられました。

【平成28年度の雇用保険料率】

雇用保険料率

事業主負担

労働者負担

一般の事業

1.1%

0.7%

0.4%

(平成27年度)

1.35%

0.85%

0.5%

農林水産・清酒製造の事業

1.3%

0.8%

0.5%

(平成27年度)

1.55%

0.95%

0.6%

建設の事業

1.4%

0.9%

0.5%

(平成27年度)

1.65%

1.05%

0.6%

保険料率が引き下げられたと言っても、労働者が給与から天引きされる保険料は、総支給額10万円につき100円の差ですから、ピンと来ないかもしれません。

ところで、いつも雇用情勢が回復すると保険料率が引き下げられ、その後、雇用情勢が悪化すると充分な給付ができなくなっているように思われます。状況の良い時に資金をプールしておいて、失業者が増えたときに使えると安心ですね。

<介護休業給付の給付率の引き上げ>(平成28年8月1日施行)

賃金の40%から67%に引き上げられます。

介護を理由に退職する動きに、少しでも歯止めがかかると良いですね。ただ、介護休業は対象家族1人について通算93日までです。もっと期間を延長しないと効果が期待できないかもしれません。

平成29年1月1日施行の改正

<新規採用高年齢者の雇用保険加入>(平成29年1月1日施行)

現在は、65歳以降に新たに雇用された人は、雇用保険の適用対象となっていません。

ただし、64歳までに雇用されて雇用保険に入った人は、65歳以降もそのまま入っています。そして、4月1日現在で64歳に達している人は、それ以降の保険料が事業主も労働者も免除されるという仕組みです。

これが来年からは、65歳以降に転職しても、転職先で雇用保険に入ることになります。そして保険料は、平成31年度分までは免除ですが、平成32年度分からは徴収されます。

<再就職手当の給付率の引き上げ>(平成29年1月1日施行)

失業等給付の受給者が早期に再就職した場合に支給される再就職手当の給付率が引き上げられます。

支給日数が3分の1以上残っている場合は、残日数の50%から60%に引き上げ、

支給日数が3分の2以上残っている場合は、残日数の60%から70%に引き上げです。

失業等給付を受けながら求職活動を続けていた方が得だと思われないよう、再就職手当の給付率を引き上げて、早期の再就職を促すのがねらいです。

<求職活動支援費>(平成29年1月1日施行)

現在の広域求職活動費の名称が求職活動支援費に改められ、内容も大幅に変更されます。これは、広域求職活動費の利用が少ないため、見直しがかけられたものです。

「求職活動を容易にするための役務の利用」として、就職面接のための子の一時預かり費用などが挙げられています。

仕事をしていないと子供を預けられないが、子供を預けられないと採用面接など求職活動ができないというジレンマの解消が期待されます。

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解決社労士 柳田 恵一
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