標準報酬改定通知書が届いたら何をすればよい?

<標準報酬改定通知書とは?>

社会保険(健康保険と厚生年金)では、被保険者が受け取る給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を、一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額を保険料の計算に用います。

毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます(定時決定)。

また、報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合で、一定の条件を満たした場合には、標準報酬月額の改定が行われます(随時改定)。

会社がこの随時改定の届出(月額変更届)を行うと、協会けんぽや健康保険組合から「標準報酬改定通知書」が交付されます。

これには被保険者ごとの新しい標準報酬月額が記載されています。会社では新しい標準報酬月額を基に社会保険料を計算し、給与から控除することになります。

また、対象者には改定前と改定後の保険料負担について、会社から通知を出しているでしょう。

<標準報酬月額についての法改正>

「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が平成27年5月29日に公布されたことにより、平成28年4月から健康保険の標準報酬月額の上限と累計標準賞与額の上限が変更になりました。

  • 健康保険法で現在の標準報酬月額の最高等級(47級・121万円)の上に3等級が追加され、上限が引き上げられました。

月額等級

標準報酬月額

報酬月額

第47級

1,210,000円

1,175,000円以上

1,235,000円未満

第48級

1,270,000円

1,235,000円以上

1,295,000円未満

第49級

1,330,000円

1,295,000円以上

1,355,000円未満

第50級

1,390,000円

1,355,000円以上

  • 健康保険法で年度の累計標準賞与額の上限が540万円から573万円に引き上げられました。

<法改正により会社に標準報酬改定通知書が届くケース>

今までは、月給や役員報酬が1,175,000円以上であれば、標準報酬月額は一律1,210,000円でした。

ところが、今回の法改正により、たとえば月給や役員報酬が1,300,000円であれば、標準報酬月額は1,210,000円から第49級の1,330,000円に変更となります。

このため、協会けんぽ管掌の健康保険が適用されている会社で、改定後の新等級に該当する被保険者がいる会社の事業主に対しては、平成28年4月中に管轄の年金事務所から「標準報酬改定通知書」が送られます。この通知書には、標準報酬月額の改定に際して、「事業主からの届出は不要」と書かれています。

<会社にこの標準報酬改定通知書が届いたら>

しかし、届出が不要とはいえ、会社が何もしなくてよいわけではありません。

通知書の対象者の標準報酬月額が変わったということは、これに連動して保険料が変わります。会社負担分と被保険者負担分の両方です。ですから、給与から控除する保険料も、4月分から変更となるのです。

給与計算にあたっては、控除額が変更となりますので注意しましょう。また、年度の累計標準賞与額の上限の変更も忘れないようにしましょう。

そしてもう一つ、対象者には改定前と改定後の保険料負担について、通知を出しておくことが必要でしょう。

念のため、財務・経理部門に予算組みに反映されているかの確認もしておけば万全です。

<自宅に届く標準報酬改定通知書とは?>

実は、厚生年金には別の「標準報酬改定通知書」があります。

ご夫婦が離婚に際して、年金分割を行った場合に届く書類です。手続を完了すると、最終的な年金分割の結果が「標準報酬改定通知書(離婚時の年金分割のお知らせ)」により通知されるのです。

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解決社労士 柳田 恵一
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