知らないと損をする雇用保険の手当て

基本手当

雇用保険に加入している多くの方は、何のために雇用保険料を支払っているかについては、自分が何らかの理由で失業したときに、失業手当て(正しくは基本手当)をもらうためだということはわかっています。そして、少し理解が進むと基本手当をもらえる期間に関して、その日数や待機期間、支給制限について知るようになるのではないでしょうか。つまり、失業している最中の基本手当を如何に滞りなく受給するかが関心の中心です。そして、受給期間中に再就職先が決まれば良しとして、めでたく再就職先で給与をもらうわけです。

再就職手当

しかし、再就職が決まったとき、受給期間中のどの時点で再就職が決まったかによって、さらに手当が出ることがあります(これを再就職手当といいます)。再就職が決まれば、再就職先での今後についてに関心が移ることもあり、「失業時にもらう手当」は、これで終わりとしてしまうようですが、ちょっと待ってください。受給期間の早いうちに再就職先が決まった場合、決まらなかった時に受給したはずの残りの基本手当は、どうなるのでしょうか。雇用保険法では、以下のように再就職の時期によって、残りの基本手当に代わる再就職手当を受給できます。
再就職手当の額
再就職先が、受給期間の3分の2以上を残して決まった場合(支給残日数2/3以上):
支給残日数 x 60% x 基本手当日額
再就職先が、受給期間の3分の1以上を残して決まった場合(支給残日数1/3以上):
支給残日数 x 50% x 基本手当日額
再就職が決まったら浮かれるばかりではなく、再就職手当がもらえるのであれば、再就職初日から1か月以内再就職手当支給申請書雇用保険受給資格者証を添えて、ハローワークに申請してください。

就業促進定着手当

雇用保険による失業、再就職関連の手当てはここまでではありません。さらに、就業促進定着手当をもらえるかもしれません。再就職手当は、残りの基本手当をもらうといっても、残った基本手当の50%か60%でしたが、それはこの手当のために残してあると考えても良いのです。ただし、再就職先での給与が、以前の給与と同じか、より高額となった場合は、この就業促進定着手当はもらえません。すなわち、以前の給与より再就職先の給与が下がりはするが頑張って働くという人に支給されます。
以前の給与との比較は、再就職後6か月間の給与で比較するので、申請は、再就職後6か月たってから2か月以内に行わなければなりません。
この手当の受給要件を詳しく書くと以下のようになります。
① 再就職手当の支給を受けていること
② 再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
(起業により再就職手当を受給した場合には、「就業促進定着手当」は受けられません)
③ 所定の算出方法による再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること
就職促進定着手当の額
給与の差分の日額 x 再就職後の6か月間の日数
ただし、この計算による支給額には上限額があり、それが、再就職手当で残しておいた40%の基本手当までということになります(基本手当の残日数分の40%まで)。

雇用保険料を支払った分、自分がその恩恵を受ける立場になったときは、しっかりとその権利を主張しましょう。

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Toshikazu Oyama
神奈川県の中央部、厚木市の開業事務所です。 代表は、大山敏和(社会保険労務士)。 助成金など企業にとってプラスにこそなれ、決してマイナスにならない「うまみ」を使用者にどんどん提案してゆくつもりです。決して「ブラック」と呼ばせない合理的経営の御支援をいたします。

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