マスコミから攻撃される「違法残業」は必ずしも悪質ではない

<違法残業とマスコミの反応>  

大手企業に労働基準監督署の調査が入り、違法残業が摘発されています。 

これに対してマスコミからは、人手不足により社員1人当たりの負担が増えており、やむを得ないという同情の声も上がっています。反対に、人手不足の解消については、企業に一層の努力が求められるべきであり、違法残業は許されないという厳しい意見もあります。 

しかし、人手不足を解消すれば違法残業を予防できるというわけではなく、報道の内容には疑問が感じられます。 

<誤解されている違法残業> 

違法残業はサービス残業とは全く別物ですが、混同されやすいようです。 

サービス残業は、残業に対して割増賃金が支払われない、あるいは、割増無しの賃金すら支払われない状態を指しています。これは、企業が労働者から搾取しているのであって、悪質な違法行為です。 

しかし違法残業は、その名称にもかかわらず、必ずしも悪質ではないのです。 

<違法残業の発生パターン>  

次のような状況下で、法定労働時間を超える勤務をさせると違法残業となります。 

・三六協定の労働基準監督署長への届出をしていない 

・三六協定の有効期限が切れたままになっている(有効期間は最長1年) 

・労働者代表の選出方法が民主的ではないなどにより三六協定が無効 

また、三六協定の限度を超える勤務をさせた場合にも違法残業となります。 

結局、違法残業というのは、有効な三六協定が届出されない状態で法定労働時間を超える勤務があった場合と、三六協定に違反する勤務があった場合を指すものだといえます。 

<違法残業の悪質性> 

違法残業があったからといって、直接労働者に損害が発生するわけではありません。労働基準監督署に摘発され、マスコミに取り上げられると、会社の評判が低下することによって、間接的に損害をこうむることになります。 

また、会社が積極的に違法残業をしても、何ら利益を得られないのです。 

こうしてみると、違法残業というのはサービス残業とは違って、悪質なものではないことがわかります。 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>  

開業社労士は、単に書類を作成しているだけではなく、顧問先企業の必要な手続きとその期限を常に管理しています。 

マスコミによって「違法残業」の汚名を着せられるのは、三六協定の内容の適正化や届出手続き、有効期限の管理に失敗した企業です。これだけのことで、会社が積み上げてきた信頼が失われるのは残念なことです。 

大切な会社を守るにはどうしたら良いか、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。 

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解決社労士 柳田 恵一
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